肩こりに関するご質問で「施術後は楽になるけど、また元に戻ってしまう」という相談は非常に多いです。
このようなことが続くと「自分の身体はよっぽど悪いのでは?」と不安な気持ちになるのもよく分かります。
ただ、このような経過は決して珍しいものではありません。
当院ではこうした変化に関しても貴重な判断材料として、状態を確認しつつ施術を進めていくようにしています。
「楽になる」と「安定する」は別の話
肩こりに限らず施術を受けると特にその直後は一時的に楽になることが多いです。
しかしながらその状態がそのまま「安定するか」というと、そうとは限りません。
それまで悪かった身体の状態が良い方向に変わるには、ある程度の時間が必要なケースが多いです。
「楽になる」と「安定する」この二つをしっかり分けて考えることは、表面的な変化で終わらずにしっかりと根本改善に導くために必要なことであると当院では考えています。
この点については、肩こりを筋肉だけの問題としてみていない理由の中でも詳しく触れています。
元の状態に戻る“力”も働いている
まず大前提として、私たちの身体には「元に戻ろうとする力」が働いており、それが悪いものであっても使い慣れた状態を維持しようとする性質があります。
「現状とりあえず無事に生きているのであれば、余計な冒険はしないでおこう」というこの脳の性質は、ある意味私たちの生命維持のために必要なものでありますが、それが悪い方向に発揮されてしまうと「良い方向に持っていこうとしても、元の悪い状態に戻す」というジレンマを生み出します。
施術をして一度良い状態になってもまた元の状態に引き戻されるのは、ほとんどの場合このような力が影響していると考えられるケースも多いです。
特に慢性期間が長い(10年以上前からずっと肩こりで悩んでいる)人ほど、この傾向が強く出る傾向があります。
呼吸や自律神経の影響については、こちらの記事でも触れています。
▶肩こりと呼吸・自律神経の関係について
日常の影響を受けやすい
肩こりの状態は姿勢や身体の使い方、呼吸や生活リズムなど、日常生活の積み重ねが大きく影響しています。
施術時間に比べて日常生活の方が圧倒的に時間が長いわけですから、その日常生活において肩こりを助長する要因が多ければある程度戻ってしまうことは不自然ではありません。
変化の途中である可能性もある
「じゃあいつまで経っても良くなったり悪くなったりの堂々巡りでは無いか?」と思われた方もいらっしゃると思いますが、そうではありません。
良くなったり戻ったりを繰り返すのは、必ずしも悪いものとは限りません。
むしろ身体が良くなっていく過程で一時的に状態が揺れ動いているだけ、というパターンもあります。
身体の状態は常に一定ではありません。
その日の身体の使い方やコンディション(内的なものと外的なもの両方含む)によって変化します。
我々はつい「一直線に良くなっていくこと」を想像しがちですが、波がありながら少しずつ回復していくケースの方がむしろ多いです。
当院ではこうした「波」があることを前提に状態を見ています。
その前提に立てば多少の揺れ動きに一喜一憂して、改善までの道のりを見誤る確率を下げられるというのがその理由です。
だからこそ最初にお伝えしていること
特に慢性的な肩こりの場合、当院では最初に「ある程度時間がかかる可能性」をお伝えします。
世の中には短期間での変化を強調する表現も見かけますが、上で書いたように「楽になる」と「安定する」は別であることはここまでお読みいただいた皆さんにはよくお分かりになると思います。(短期で出せる変化は多くの場合「楽になる」変化までにとどまることが多いです)
安定させるには無理のないペースで施術を積み重ねていくことが大切です。
また、これも先に述べたとおり日常生活やその時々のコンディションの影響も受けるのが普通ですので、状態に応じて施術の進め方も調整していくことが大切だと考えています。
まとめ
ここまで述べてきたとおり、肩こりが良くなったり悪くなったりを繰り返すのは、決して珍しいことではありません。
そこにはいくつもの理由が重なっているからであって、当院ではそうした経過も含めてその方の状態を見極めていきます。
長年に及ぶ肩こりに悩まされていると、「これはもう良くならないのでは?」と不安になる方も多いと思います。
そんな方は今までの状況や、現在の状態を全体の流れとしてしっかりと把握することが大切です。
気になる方はぜひ一緒に状況を整理していきましょう。
当院の施術判断の考え方については、
他の事例も「施術判断ログ一覧」でご覧いただけます。
ここまでお読みいただき、「もう少し詳しく知りたい」と感じた方は、肩こりについてまとめたページも参考にしてみてください。
文責及び施術担当者:アルテカイロプラクティック院長 前田彰(院長プロフィールはこちら)






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