はじめに
- 「座っているだけなのに、満員電車に乗ると動悸がしてしまいます。」
- 「普通の電車は平気なのに、朝の通勤ラッシュだけがどうしても苦手なんです。」
パニック症状でご来院される方から、このようなお話を伺うことがあります。
実際、同じ電車でも、
- 休日の空いている電車は大丈夫
- 各駅停車なら乗れる
- 座れれば問題ない
にもかかわらず、満員電車だけが苦手という方は少なくありません。
20年近く臨床を続けてきた中で感じるのは、満員電車への苦手意識は単に「人混みが嫌いだから」という一言では説明できないことが多いということです。
今回は、「なぜ満員電車だけ苦手になるのか」について、当院がどのように考えているのかをご紹介します。
満員電車だけ苦手という方は少なくない
パニック症状のある方の中には、
- 空いている電車なら乗れる
- 休日の外出は問題ない
- 新幹線や飛行機は平気
- 車の運転もできる
にもかかわらず、満員電車だけが苦手という方がいらっしゃいます。
逆に、
- 満員電車は平気だが新幹線が苦手
- 電車は大丈夫だが高速道路は怖い
という方もいます。
つまり、「パニック障害だから満員電車が苦手になる」と単純に決まるわけではありません。
当院でパニック障害の患者さんのお話を伺っていても、苦手な状況が人それぞれで大きく異なることを日々感じています。
『逃げられない感覚』が関係していることもある
もちろん、ある程度の共通点はあります。
満員電車では、
- 簡単に外へ出られない
- 途中で降りにくい
- 自由に移動できない
- 体調が悪くなってもすぐに環境を変えられない
といった状況が生まれます。
実際に患者さんからも、
「次の駅まで我慢しなければならないのが怖い」
「ドアが閉まると急に不安になる」
「電車が止まると動悸が強くなる」
といったお話を伺うことがあります。
そのため当院では、「逃げられない感覚」がどの程度影響しているのかを確認することを大切にしています。
『周囲に迷惑をかけるかもしれない』という不安もある
満員電車が苦手な方のお話を詳しく伺うと、
「倒れたらどうしよう」
「気分が悪くなったら周りに迷惑をかけてしまう」
「変な人だと思われたくない」
といったお気持ちを抱えている方が多い気がします。
また、満員電車は人との距離が近く、
- 暑い
- 息苦しい
- 自由に姿勢を変えられない
- 周囲の視線が気になる
といった特殊な環境でもあります。
そのため、少し脈が速くなったり、息苦しさを感じたりしただけでも、不安が一気に強くなってしまうことがあります。
さらに、初めて症状が出たのが通勤電車だったという方では、「また同じことが起きるのではないか」という気持ちが強くなることもあります。
初めてのパニック発作を通勤中の満員電車で体験したある女性患者さんは、「あの時、周りの人から好奇の視線にさらされたことがしばらく頭を離れず、それが満員電車に対する恐怖感を強めた」と仰っていました。
ただし、20年近く患者さんを診てきた中でも、「なぜ満員電車だけが苦手なのか」を一つの理由だけで説明することはできません。
患者さん一人ひとりに異なる背景や体験があり、それらが複雑に関係しているのだと感じています。
当院が確認しているポイント
当院では、
- どのような電車が苦手なのか
- どんな場面で症状が出るのか
- 初めて症状が出た時期
- 睡眠や疲労の状態
- 仕事や家庭でのストレス
- 日常生活の変化
などを総合的に確認しています。
そのうえで、
- 「逃げられない感覚」が強いのか
- 「周囲に迷惑をかける不安」が影響しているのか
- 生活背景やストレスが関係しているのか
を整理しながら施術方針を決めています。
当院の考え方
当院では、「満員電車が苦手なのは○○が原因」と単純に決めつけることはしていません。
同じパニック症状でも、不安を感じる場面やその背景は一人ひとり異なります。
また、実際には「電車そのもの」が問題なのではなく、仕事のストレスや睡眠不足、生活環境の変化などが影響していることも少なくありません。
疲労が溜まり、コンディションが悪くなったタイミングだったからこそ、普段だったら平気な出来事でもパニック症状を引き起こすことがあります。
だからこそ当院では、症状だけを見るのではなく、その方がどのような状況で不安を感じているのかを一緒に整理していくことを大切にしています。
まとめ
満員電車への不安は、単に「人混みが苦手」というだけでは説明できないことがあります。
先述の患者さんのように、発作そのものだけでなく、その時に感じた周囲の視線や記憶が、満員電車への苦手意識につながることもあります。
当院では、
- どの場面で症状が出るのか
- 何に対して不安を感じているのか
- 睡眠やストレスが影響していないか
を確認しながら、その方に合った施術方針をご提案しています。
満員電車に乗ることへの不安でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
文責及び施術担当者:アルテカイロプラクティック院長 前田彰(院長プロフィールはこちら)
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