この記事でお伝えしたいこと
- MRIで頚椎症と言われても、症状がまったくない方は珍しくありません。画像に変化が写っていても、それだけですぐに痛みやしびれが現れるとは限らず、画像所見と症状が一致しないケースも少なくありません。
- 神経への影響や炎症の有無、身体の使い方など、症状にはさまざまな要素が関わっています。そのため、「MRIで変形がある=将来必ず悪化する」とは言い切れず、検査結果だけで今後を判断することは難しいのが現実です。
- 当院では、MRIの結果を否定するのではなく、現在の症状や身体の使い方、全身のバランスなども含めて確認しながら、お一人おひとりの状態を総合的に判断することを大切にしています。
はじめに
「MRIで頚椎症と言われましたが、今のところ痛みも痺れもありません」
「今は大丈夫でも、数年後に悪化するのでしょうか」
健康診断や別の症状の検査でMRIを撮影し、予想外に「頚椎症ですね」と言われて不安になる方は少なくありません。
特に、症状がないからこそ、
「いつか急に悪くなるのでは」
という未来への不安を抱えてしまう方もいらっしゃいます。
今回は、MRIで頚椎症と言われても症状がない理由と、将来について当院がどのように考えているかをお伝えします。
MRIで頚椎症と言われても、症状がない方は珍しくない
MRIでは、年齢とともに起こる椎間板や骨の変化が比較的早い段階から映ることがあります。
ただし、
「画像に変化がある=すぐに症状が出る」
とは限りません。
実際、画像所見と症状が一致しないケースは珍しくありません。
神経が圧迫されていても、必ず症状が出るわけではない
「神経が圧迫されているなら、必ず痛みや痺れが出るのでは」と考える方もいらっしゃいます。
しかし、実際には、
- 圧迫の程度
- 炎症の有無
- 首の動かし方
- 周囲の筋肉の状態
など、さまざまな要素が関係しています。
MRIは構造を見る検査ですが、「その変化が今、どの程度身体に影響しているか」までは分からないこともあります。
身体には『負担を補う仕組み』がある
20年近く臨床を続けていると、MRIでは頚椎症と言われていても、何年も症状なく過ごしている方は少なくありません。
一方で、仕事の内容や姿勢の変化、疲労の蓄積などをきっかけに、ある時期から首の痛みや痺れを感じ始める方もいます。
身体には、ある部位にかかる負担を別の部位が補うように働くことがあります。
そのため、「MRIで変形している」という事実だけで、今後の経過が決まるわけではないと当院では考えています。
当院の「腰痛と肩こり」患者さんのお話です。その方は慢性的に腰が悪く、ある日腰のMRIを撮ることになりました。
普段は腰だけなのですが、その時は特に症状はないけど念のため首のMRIも撮ることにしたそうです。
その結果首の変形が見つかり「首も立派な頚椎症だね」とお医者さんから診断をいただいたそうです。
その方曰く「確かに肩甲骨周りは凝ってるなという自覚はあったけど、首そのものは自覚症状を感じていなかったので、頚椎症と聞いてびっくりした」とのことでした。
断言はできませんが、この方の場合は首への負担を肩甲骨や腰など他の部位が補うような身体の使い方になっていた可能性があります。
私に「画像診断の結果=症状が出る場所」とは言い切れないことを教えてくれた、貴重な経験でした。
『今は大丈夫でも、将来悪くなるのでは』という不安について
患者さんから、
「今は症状がないのですが、将来必ず悪くなりますか?」
というご質問を受けることがあります。
しかし、MRIの画像だけを見て、数年後の状態を正確に予測することは難しいのが現実です。
もちろん、首への負担が大きい生活や仕事が影響することはあります。
一方で、画像上の変化があっても、長期間ほとんど症状が出ないまま過ごしている方もいらっしゃいます。
当院では、「変形しているから将来必ず悪くなる」とは考えていません。
むしろ、『なぜ首だけに負担が集中する身体の使い方になってしまったのか』という視点を大切にしています。首だけを見るのではなく、身体全体のバランスも含めて確認することを心がけています。
当院の考え方
当院では、MRIの結果そのものを否定することはありません。
ただ、画像だけを見て悲観する必要もないと考えています。
大切なのは、
- 今、困っている症状があるのか
- 身体にどのような負担がかかっているのか
- 今後どのような変化に注意すべきか
を整理していくことです。
「MRIで頚椎症と言われた」という事実と、「今の身体の状態」は、必ずしも同じではないからです。
まとめ
MRIで頚椎症と言われても、今のところ症状がない方は珍しくありません。
画像の変化と症状は必ずしも一致せず、その間には神経の状態や筋肉、姿勢、日々の負担など、さまざまな要素が関わっています。
また、MRIで変形があるからといって、将来必ず悪化するとは限りません。
検査結果だけで不安になりすぎず、現在の身体の状態を整理しながら、必要に応じて経過を見ていくことが大切だと当院では考えています。
頚椎症について詳しく知りたい方は、こちらのページもあわせてご覧ください。
文責及び施術担当者:アルテカイロプラクティック院長 前田彰(院長プロフィールはこちら)
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