この記事でお伝えしたいこと
- 「骨盤の歪み」という言葉にはさまざまな意味があり、骨盤そのものが簡単に開いたり、形が崩れたりするものではありません。
- 骨盤に傾きや左右差があっても、それだけを腰痛の原因とは判断せず、「なぜその状態になったのか」まで確認することが大切です。
- 当院では、骨盤だけを見るのではなく、股関節や胸郭、足の使い方、生活背景なども含め、身体全体を確認しながら施術方針を考えています。
はじめに
「腰痛の原因は骨盤の歪みですね。」
このように言われた経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
実際に当院にも、
「骨盤が歪んでいると言われました。」
「骨盤矯正を受けた方が良いのでしょうか。」
というご相談をいただくことがあります。
しかし当院では、「骨盤の歪み」という一つの言葉だけで腰痛の原因を判断することはありません。
今回は、腰痛と骨盤の歪みについて、当院がどのような視点で確認しているのかをご紹介します。
「骨盤の歪み」と言っても、人によって意味が違う
患者さんがおっしゃる「骨盤の歪み」には、
- 骨盤が傾いていると言われた
- 骨盤が開いていると言われた
- 足の長さが違うと言われた
- 姿勢が悪いと言われた
- 左右の高さが違うと言われた
など、さまざまな意味があります。
つまり、「骨盤が歪んでいる」という言葉だけでは、実際に何を指しているのかまでは分かりません。
特に、「骨盤が開いている」「形そのものが歪んでいる」という意味なのか、骨盤の傾きや左右差を「歪み」と表現しているのかでは、話がまったく変わってきます。
骨盤は複数の骨が関節や靱帯などによって強固に構成されており、日常生活の中で簡単に骨盤そのものが開いたり、形が崩れたりするようなものではありません。
一方で、
- 骨盤が前後・左右に傾いている
- 左右の高さに違いがあるように見える
- 身体の使い方に左右差がある
- 股関節など周囲の動きに違いがある
といった状態はあります。
こうした状態まで含めて、一般的に「骨盤の歪み」という言葉が使われていることがあります。
だから当院では、「骨盤が歪んでいる」という言葉をそのまま腰痛の原因として受け取るのではなく、まず何を「歪み」と表現しているのか、実際に身体に何が起きているのかを確認することが大切だと考えています。
当院が確認するのは『歪み』ではなく『なぜその状態になったのか』です
仮に骨盤に左右差や傾きがあったとしても、当院では、それだけを腰痛の原因とは考えません。
例えば、
- 股関節の動き
- 胸郭の硬さ
- 足の使い方
- 身体全体のバランス
- 日常生活での身体の使い方
こうしたさまざまな要素が重なった結果として、骨盤の傾きや左右差が現れている可能性もあります。
つまり、当院が知りたいのは、「骨盤がどうなっているか」だけではなく、「なぜその状態になったのか」ということです。
腰痛では、一つの部位だけに原因を求めるのではなく、身体全体から考えることを大切にしています。その理由についてはこちらでも詳しくご紹介しています。
▶ 腰痛は痛い場所だけ施術すれば良い?当院が施術判断で見ているポイント
「歪み」という言葉が、原因探しの視野を狭めることがある
以前、「自分の骨盤は他の人よりも大きくずれている」と思い込み、長い間そのことに強い不安を抱えていた患者さんがいらっしゃいました。
詳しくお話を伺うと、その方は「これが原因だ」と一度説明を受けたことで、それ以外の可能性を考えられなくなっていた状態でした。
骨盤の状態がどうであれ、そもそも痛みが出る前の元々の身体がどうだったかは、後から比べようがありません。
それにも関わらず、「歪みが原因」という説明を信じ込み、それを治さなければ良くならないと思い込んでしまっていたのです。
当院ではまず、その思い込みを一旦横に置いていただいたうえで、改めて身体の状態を確認しました。
すると、長時間の座り仕事に加え、腰椎の硬さや胸郭・股関節の動きの悪さなど、腰に負担を集中させていると考えられる複数の要素が見えてきました。
そこを中心に施術を進めたところ、1ヶ月ほどで症状は大きく落ち着いていきました。
ここでお伝えしたいのは、当院の施術が優れていたということではありません。「これが原因です」という一つの説明を信じ込んでしまうことで、本当の原因を探す視野が狭くなり、かえって不安な時間が長引いてしまうことがある、ということです。
だからこそ当院では、「骨盤が歪んでいるかどうか」という一点で判断せず、身体全体の使われ方まで含めて確認することを大切にしています。
腰痛を一つの原因だけで説明することが難しい理由については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
▶ 症状の原因は1つじゃない
骨盤だけを見るのではなく、身体全体のつながりを確認する
骨盤に傾きや左右差が確認できれば、それも身体を評価するための一つの情報になります。
しかし当院では、そこで「これが原因」と結論づけることはありません。
- なぜその傾きが生じているのか。
- 股関節の動きに左右差はないか。
- 胸郭が動きにくくなっていないか。
- 足への荷重に偏りはないか。
- 仕事や日常生活で同じ姿勢を繰り返していないか。
こうした情報を重ねながら、骨盤の状態が現在の腰痛にどの程度関係しているのかを考えていきます。
骨盤の傾きは「答え」ではなく、身体を確認していくための一つの情報だと当院では考えています。
骨盤に限らず、腰そのものだけに原因を求めない理由については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
▶ 腰痛は痛い場所だけ施術すれば良い?当院が施術判断で見ているポイント
状況によっては医療機関での評価を優先することもある
腰痛があっても、
- 夜間安静時でも強い痛み
- 発熱
- 急激な筋力低下
- 排尿・排便障害
- 転倒などの外傷後
などがある場合には、
骨盤の問題と考える前に、医療機関での評価を優先していただくことがあります。
当院では、安全性を確認したうえで施術を行うことを大切にしています。
特に夜中に腰痛で目が覚める場合に当院が確認しているポイントについては、こちらでも詳しくご紹介しています。
▶ 夜中に腰痛で目が覚めるのはなぜ?当院が施術前に確認しているポイント
まとめ
当院では、「骨盤が歪んでいるから腰痛になった」と、それだけで原因を決めつけることはありません。
骨盤に傾きや左右差が見られることがあっても、それ自体が原因なのか、さまざまな身体の使われ方の結果として現れているのかまで確認する必要があります。
当院では、
- 身体全体の動き
- 日常生活での身体の使い方
- 股関節や胸郭などとの連動
- 現在の症状との関係
まで確認しながら施術方針を考えています。
骨盤の歪みが気になっている方も、お気軽にご相談ください。
腰痛でご来院された方の実際の経過については、こちらの症例ページもご参照ください。
▶ 腰痛症例一覧はこちら
文責及び施術担当者:アルテカイロプラクティック院長 前田彰(院長プロフィールはこちら)
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