この記事でお伝えしたいこと
- 腰の筋肉が硬くなっていても、その硬さ自体が腰痛の原因とは限りません。
- 筋肉をほぐして楽になった場合も、その変化がどのくらい続くのか、なぜ再び硬くなるのかまで確認することが大切です。
- 当院では「硬いからほぐす」だけで施術方法を決めず、関節の動きや身体全体の使われ方、日常生活での負担まで確認しながら施術方針を考えています。
はじめに
「腰の筋肉がガチガチに硬いと言われました。」
「マッサージを受けると楽になるのですが、しばらくするとまた痛くなります。」
腰痛の方から、このようなお話を伺うことがあります。
実際、腰痛がある方の腰を確認すると、筋肉が硬くなっているケースは少なくありません。
そのため、硬くなった筋肉をほぐすことが必要な場合もあります。
しかし当院では、
「筋肉が硬い=筋肉が腰痛の原因」
と、決めつけて考えることはしていません。
なぜその筋肉が硬くなっているのかまで確認しなければ、施術方法を判断できないからです。
今回は、腰痛に対して筋肉をほぐす場合と、それ以外の部分も確認する場合について、当院の考え方をご紹介します。
腰痛があると筋肉が硬くなっていることは多い
腰痛の方を確認すると、
- 腰の筋肉が張っている
- 左右どちらかが特に硬い
- お尻まで緊張している
- 背中から腰にかけて硬くなっている
といった状態が見られることがあります。
こうした場合、筋肉への施術によって身体が楽になることもあります。
そのため当院でも、必要と判断すれば筋肉を緩める施術を行います。
大切なのは、「筋肉をほぐすことが良い・悪い」という話ではないということです。
当院が確認しているのは、「なぜ、その筋肉が硬くなっているのか」です。
腰痛全般について当院がどのような視点で確認しているのかは、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
▶ 腰痛について詳しくはこちら
硬くなった筋肉が「原因」とは限らない
例えば、腰を動かした時に痛みがあると、身体は無意識にその部分をあまり動かさないようにすることがあります。
その結果として、周囲の筋肉が緊張していることも考えられます。
また、
- 関節が十分に動いていない
- 同じ姿勢が長時間続いている
- 身体の使い方に偏りがある
- 股関節や胸郭など、他の部分が動きにくい
といった背景によって、腰の筋肉が余計に働き続けている場合もあります。
この場合、「筋肉が硬いから腰が痛い」だけではなく、「別の問題を補うために筋肉が硬くなっている」という見方も必要になります。
だから当院では、触って硬かったという理由だけで、その筋肉を腰痛の原因とは判断しません。
筋肉の硬さだけでなく、複数の要素を重ねて症状を考える理由については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
▶ 症状の原因は1つじゃない
「緩めてもまた硬くなる」を繰り返すパターン
臨床の中で非常によく見かけるパターンがあります。それは、腰の筋肉を緩めて一時的に楽になっても、しばらくするとまた同じように硬くなり、痛みが戻ってきてしまうという繰り返しです。
こうしたケースを詳しく確認していくと、腰の筋肉を硬くしている背景が、筋肉そのものだけでは説明できないことが少なくありません。
例えば、足指の動きが硬く、歩く際にうまく踏み込めていない方。あるいは、胸郭が硬く、上半身をひねる動きの大部分を腰だけで補ってしまっている方。こうしたケースでは、腰の筋肉は「悪者」というより、「他の部位の負担を肩代わりし続けている」状態に近いと当院では考えています。
これは、仕事に例えると分かりやすいかもしれません。チームで協力すべき場面で、誰かがサボっていると、その分の負担は真面目に頑張っている人に集中します。このとき本来やるべきことは、サボっている人にきちんと働いてもらうことであって、すでに頑張っている人にさらに頑張らせることではありません。それを続けていれば、いずれ頑張っている人も限界を迎えてしまいます。
身体も同じで、本来はいくつかの部位が少しずつ協力し合って動くべきところを、うまく働いていない部位があることで、その分の負担が別の部位(この場合は腰の筋肉)に集中してしまうことがあります。
そのため、腰の筋肉だけを繰り返し緩めても、負担のかかる場所そのものが変わらなければ、しばらくすると再び同じように硬くなってしまいます。
だからこそ当院では、「腰が硬いから腰を緩める」だけで終わらせず、その負担がどこから来ているのかを、足元から身体全体まで確認しながら施術方針を考えています。
「ほぐして楽になった」ことも大切な判断材料になる
マッサージなどで筋肉をほぐした後に楽になったのであれば、その変化も身体の状態を考えるうえで大切な情報になります。
当院では、
- どの部分をほぐすと変化したのか
- どのくらい楽な状態が続いたのか
- 動きやすさにも変化があったのか
- 翌日以降どうだったのか
- 同じ生活をすると再び硬くなったのか
などを確認します。
「ほぐして楽になった」という事実を否定するのではなく、その変化が何を意味しているのかを見ることが大切だと考えているからです。
筋肉への施術で良い変化が続くのであれば、その方にとって必要なアプローチの一つかもしれません。
一方で、毎回その場では楽になるものの、短期間で同じ状態に戻るのであれば、「なぜ同じ筋肉に負担がかかり続けているのか」を改めて確認する必要があります。
当院では、施術直後の変化だけではなく、その変化がその後どのように続いたのかも、次の施術を考えるための判断材料にしています。
一度楽になった腰痛が再び戻る場合に、当院がどのような点を確認しているのかについてはこちらもご参照ください。
▶ 腰痛を繰り返さないために当院が大切にしていること~施術前に確認している判断ポイント~
当院では「硬いからほぐす」という考えだけで施術方法を決めない
腰の筋肉が硬くなっていたとしても必要に応じて、
- 腰椎など関節の動き
- 股関節や骨盤の動き
- 胸郭の動き
- 足の使い方
- 身体の左右差
- 日常生活で負担がかかる場面
なども確認します。
さらに、痛みの強い時期には、身体がその部分を守るために筋肉を緊張させている可能性も考えます。
そのような状態であれば、「硬いから強くほぐす」ことが、その時点で最適とは限りません。
- 筋肉への施術が必要なのか。
- 関節の動きを確認した方がよいのか。
- 身体全体の使われ方を見直す必要があるのか。
- あるいは、強い刺激を避けた方がよい時期なのか。
こうした点を確認したうえで、その時の身体に合わせて施術方法を考えることを大切にしています。
腰の筋肉だけではなく、身体全体を確認しながら施術方針を考える理由については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
▶ 腰痛は痛い場所だけ施術すれば良い?当院が施術判断で見ているポイント
状況によっては医療機関を優先する場合もある
腰の筋肉が硬く感じられる場合でも、
- 夜間安静時でも強い痛みがある
- 発熱を伴う
- 急激な筋力低下がある
- 排尿・排便障害がある
- 転倒などの外傷後に痛みが出た
などの場合には、
「筋肉が硬くなっているだけ」と判断せず、医療機関での評価を優先していただくことがあります。
当院では、安全性を確認したうえで施術を行うことを大切にしています。
まとめ
腰痛がある方の筋肉が硬くなっていることは珍しくありません。
そして、筋肉をほぐすことで楽になる方もいらっしゃいます。
しかし、
筋肉が硬いことと、その筋肉が腰痛の原因であることは同じではありません。
当院では、
- なぜ筋肉が硬くなっているのか
- 関節の動きはどうなっているのか
- 身体の他の部分が影響していないか
- どのような生活で負担がかかっているのか
- 施術後にどのような変化が続いているのか
などを確認しながら施術方針を考えています。
「マッサージを受けると楽になるけれど、また腰痛が戻ってしまう」という方も、お気軽にご相談ください。
実際に腰痛でご来院された方の経過については、こちらの症例ページもご参照ください。
文責及び施術担当者:アルテカイロプラクティック院長 前田彰(院長プロフィールはこちら)
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