この記事でお伝えしたいこと
- 立ち上がる瞬間や立った直後に腰が痛む場合は、「座っていた時間」だけでなく、座位から立位へ身体が切り替わる過程を確認することが大切です。
- 立ち上がりにくい方では、腰だけでなく、腸腰筋など身体の前側の筋肉や股関節の動きも確認することがあります。
- 当院では、立ち上がった後に腰が伸びるのか、数歩歩くと変化するのかまで確認しながら施術方針を考えています。
はじめに
「座っている時はそれほど痛くないのに、立ち上がる時に腰が痛みます。」
「デスクワークの後に立つと、すぐに腰を伸ばせません。」
腰痛の方から、このようなお話を伺うことがあります。
特に長時間座った後、
- 立ち上がる瞬間に腰が痛い
- 最初は腰を曲げたまま歩いてしまう
- 数歩歩くと少しずつ腰が伸びてくる
- 一度動き出せばそれほど気にならない
といった方もいらっしゃいます。
こうした場合、当院では単純に「長時間座っていたから」とだけ考えることはありません。
座っている時ではなく、なぜ「立ち上がる時」に症状が現れるのか。
そして、立ち上がった後に身体がどう変化するのかまで確認します。
今回は、座った後に立ち上がると腰が痛い、腰が伸びにくいという方に対して、当院がどのような点を確認しているのかをご紹介します。
「立ち上がると痛い」にもいくつかのパターンがある
一口に「立ち上がると腰が痛い」といっても、症状の現れ方は同じではありません。
例えば、
- 椅子から身体を浮かせる瞬間に痛い
- 立ち上がった直後に痛い
- 立てるけれど腰を伸ばせない
- 最初の数歩だけ痛い
- 歩いているうちに楽になる
- 立ち上がった後も痛みが続く
などがあります。
当院では、この違いを大切にしています。
「立ち上がる」という一つの動作だけを見るのではなく、動作のどの段階で症状が現れ、その後どう変化するのかを確認することで、身体の状態を考えるための情報が増えるからです。
座位から立位では、身体の使われ方が大きく変わる
椅子に座っている状態から立ち上がる時、身体は単純に上へ移動しているわけではありません。
身体を前方へ移動させ、足に体重を乗せ、股関節や膝を伸ばしながら身体を起こしていきます。
その際には腰だけでなく、
- 股関節がどの程度動いているか
- 足にうまく体重を移せているか
- 上半身をどのように起こしているか
- 左右どちらかに偏って立ち上がっていないか
なども関係します。
例えば、股関節を十分に使えていなければ、その分を別の部分の動きで補うこともあります。
そのため当院では、「腰が痛いから腰の問題」と決めるのではなく、座位から立位へ身体が切り替わる過程そのものを確認することがあります。
立ち上がる時に腰が痛む場合でも、腰だけを確認すれば良いとは限りません。その理由についてはこちらの記事でも詳しくご紹介しています。
▶ 腰痛は痛い場所だけ施術すれば良い?当院が施術判断で見ているポイント
「立ち上がりにくい」患者さんに、よく見られる共通点
問診でしばらく座っていただいた後、実際に立ち上がっていただくことがあります。その際、腰に手を添えながら、ゆっくりと身体を起こされる方を、臨床の中で数多く見てきました。
こうした立ち上がり方をされる方の身体を確認すると、お腹側の深い位置にある腸腰筋が硬くなっていることが比較的多いという印象があります。
そのため当院では、こうしたケースにおいて、腰そのものだけでなく、お腹側の筋肉へのアプローチを行うことがあります。
すると、施術前よりもスムーズに立ち上がれるようになる方が少なくありません。
もちろん、すべての方に当てはまるわけではなく、個人差があります。
ただ、これまで腰まわりへの施術ばかりを受けてきたという方ほど、この変化に驚かれる傾向があるように感じています。
腰が伸びにくい、立ち上がりにくいという症状であっても、その原因を腰そのものだけに絞らず、身体の前側にある筋肉や股関節の動きなども含めて確認することを当院では大切にしています。
腸腰筋を含め、筋肉の硬さをどのように施術判断に活かしているのかについては、こちらの記事もご参照ください。
▶ 腰痛は筋肉だけほぐせば良くなる?当院が施術判断で見ているポイント
「腰が伸びない」とき、無理に伸ばそうとする必要があるとは限らない
立ち上がった時に腰が伸びにくいと、
「姿勢が悪いから、すぐに真っすぐ伸ばした方がいい」
と思われる方もいらっしゃいます。
しかし、痛みがある時に身体が前かがみになるのは、単なる姿勢の癖とは限りません。
痛みを避けるために、身体が一時的にその姿勢を選んでいる可能性もあります。
そのため当院では、「腰が曲がっているから伸ばす」と単純には考えません。
- 自然に立っているとどうなるか
- 無理に伸ばした時に痛みが強くなるか
- 数歩歩くと自然に伸びてくるか
- 時間が経っても伸びにくいままなのか
などを確認します。
特に、少し動くことで自然に姿勢が変わっていく場合と、動いても強い痛みや伸びにくさが続く場合とでは、同じように扱わないことが大切だと考えています。
「何分座ったか」だけでなく、立った後の変化まで確認する
長時間座った後に症状が出ると、「座りすぎ」が原因だと考えたくなるかもしれません。
もちろん、どのくらい座っていたのかは大切な情報です。
しかし今回のような腰痛では、それだけではなく、
- 10分でも症状が出るのか
- 1時間以上座った時だけなのか
- 柔らかいソファと仕事用の椅子で違うのか
- 車から降りる時にも同じ症状が出るのか
- 立ち上がってから何歩くらいで変化するのか
- 一度動き始めた後はどうなのか
といったことも確認します。
つまり、「座っていた時間」だけではなく、「座る→立つ→歩く」という一連の流れの中で症状がどう変化するのかを見ていきます。
座っている時間そのものに腰痛が出る場合については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
▶ 長時間座っていると腰が痛いのはなぜ?当院が施術判断で見ているポイント
状況によっては医療機関での評価を優先することもある
立ち上がる時の腰痛であっても、
- 急激に強い痛みが出た
- 転倒などの外傷後から痛む
- 足のしびれや筋力低下が強くなっている
- 排尿・排便に異常がある
- 発熱など全身症状を伴う
- 動作に関係なく強い痛みが続いている
などの場合には、整体で身体の動きを確認する前に、医療機関での評価を優先していただくことがあります。
「立ち上がる時に痛い」という情報だけではなく、それ以外にどのような症状があるのかも大切な判断材料になります。
まとめ
座った後に立ち上がると腰が痛い、すぐに腰が伸びないという場合でも、
「長く座っていたから」
という理由だけで説明できるとは限りません。
当院では、
- 立ち上がる動作のどの段階で痛むのか
- 立った直後に腰を伸ばせるのか
- 数歩歩くと変化するのか
- 股関節や足をどのように使っているのか
- 座っていた時間や椅子によって違いがあるのか
などを確認します。
座っている状態だけ、立っている状態だけを見るのではなく、その間で身体がどのように切り替わっているのかを見ることが大切だと考えています。
座った後に立ち上がるたび腰が痛む、腰が伸びにくいという方も、お気軽にご相談ください。
実際に腰痛でご来院された方の経過については、こちらの症例ページもご参照ください。
▶ 腰痛症例一覧はこちら
文責及び施術担当者:アルテカイロプラクティック院長 前田彰(院長プロフィールはこちら)
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