この記事でお伝えしたいこと
- 「歩くと腰が痛い」場合は、痛むタイミングや歩ける時間・距離、休息後の変化まで確認します
- 腰だけでなく、股関節・足部・胸郭など、歩行に関わる身体全体の動きも確認します
- 歩くほど症状が強くなる場合は、脚のしびれや筋力の変化なども含め、より慎重に状態を確認します
はじめに
- 「歩いていると、だんだん腰が痛くなってきます。」
- 「最初は大丈夫なのですが、10分くらい歩くと腰がつらくなります。」
- 「少し休むと、また歩けるようになります。」
腰痛の方から、このようなお話を伺うことがあります。
一方で、
「歩き始めは腰が痛いけれど、しばらく歩いていると楽になります。」
という方もいらっしゃいます。
どちらも「歩くときに腰が痛い」という症状ですが、当院では同じものとして考えていません。
- 歩き始めから痛いのか。
- 歩いているうちに楽になるのか。
- 一定の時間や距離を歩くと痛みが出てくるのか。
- 休むとどう変化するのか。
- 腰だけでなく、脚にしびれや重さなどが出ていないか。
こうした違いによって、施術前に確認しておきたいことが変わるからです。
今回は、「歩くと腰が痛い」という方に対して、当院が歩行中の症状の変化をどのように見ているのかをご紹介します。
「歩くと痛い」だけでは、身体の状態は分からない
一口に「歩くと腰が痛い」といっても、症状の現れ方はさまざまです。
例えば、
- 歩き始めの一歩目から痛い
- 最初は痛いが、少し歩くと楽になる
- 歩き始めは平気だが、10分ほどすると痛くなる
- 一定の距離を歩くと腰から脚までつらくなる
- 歩き続けるほど症状が強くなる
- 立ち止まると楽になる
- 座って休むと再び歩ける
- 前かがみになると楽に感じる
- 腰だけが徐々に張ってくる
などがあります。
そのため当院では、「歩くと腰が痛い」という言葉だけで施術方針を決めることはありません。
特に確認したいのが、時間や距離の経過によって症状がどう変わるのかです。
「歩く」という動作を一つの瞬間として見るのではなく、歩き始めからその後までを一つの流れとして確認していきます。
歩行では腰だけでなく、身体のさまざまな部分が動いている
歩いている時には、腰だけが動いているわけではありません。
左右の脚を交互に前へ出しながら、
- 股関節を動かす
- 骨盤周辺が動く
- 足部で地面を捉える
- 胸郭や上半身が動く
- 左右へ体重を移動する
といった動きを繰り返しています。
そのため、腰痛がある場合でも、腰そのものの筋肉や関節だけでなく、股関節や足部、胸郭などの動きも確認することがあります。
もちろん、これは「歩行時の腰痛は腰以外に原因がある」という意味ではありません。
実際に腰そのものの動きが大きく低下していたり、腰周辺の筋肉が強く緊張していたりする方もいらっしゃいます。
大切なのは、痛む場所だけを切り取るのではなく、歩行という繰り返される動作の中で身体全体がどのように使われているのかを見ることだと考えています。
私が「歩くほど痛くなる腰痛」をより慎重に確認している理由
長年、多くの腰痛患者さんを診てきた中で、私自身が施術前に特に慎重に確認している症状の出方があります。
それが、「最初は痛いけれど、少し歩いて身体が動き始めると楽になる」という腰痛よりも、「歩き始めはそれほど問題ないのに、歩き続けるほど痛みや脚の症状が強くなってくる」という腰痛です。
もちろん、後者だから危険だという意味ではありませんし、特定の疾患があると判断しているわけでもありません。
ただ、歩行を続けることで症状が増えていく場合には、施術を始める前に確認しておきたい情報が増えると、これまでの臨床経験から感じています。
例えば、
- 何分、あるいは何メートルくらい歩くと症状が出るのか
- 毎回おおよそ同じ時間や距離で出るのか
- 腰だけでなく、臀部や太もも、ふくらはぎにも症状が出るのか
- 痛みだけでなく、しびれや重だるさを伴うのか
- 立ち止まるだけで変化するのか
- 座って休む必要があるのか
- 前かがみになると症状が変わるのか
- 休んだ後には再び歩けるようになるのか
- 以前と比べて歩ける時間や距離が短くなっていないか
といったことです。
「歩くと痛い=○○」と病名を当てはめるために確認するのではありません。
歩行によって症状がどのように増え、休息によってどう変化するのか。そして神経症状を疑うような変化が伴っていないか。
そこまで確認したうえで、当院で施術を行ってよい状態なのかも含めて判断することを大切にしています。
腰痛に加えて臀部や脚への痛み・しびれがある場合については、「腰痛と坐骨神経痛の違いとは?当院が施術前に確認しているポイント」でも詳しく解説しています。
「休むと楽になる」場合も、休み方まで確認する
歩いていると腰が痛くなるけど「少し休めば、また歩けます。」という方もいらっしゃいます。
この場合、当院では単に「休めば楽になる」ということだけではなく、どのように休むと変化するのかも確認します。
例えば、
- 立ったまま休んでも楽になるのか。
- どこかに座る必要があるのか。
- 前かがみになると楽になるのか。
- 休んでから再び歩けるまでにどのくらいかかるのか。
こうした違いも身体の状態を考えるための情報になります。
また、「以前は30分歩けたのに、最近は10分程度でつらくなる」といった変化も見逃したくないポイントです。
年齢や画像検査の結果だけで判断するのではなく、実際の生活の中で歩ける時間や距離がどう変化しているのかを見ることを大切にしています。
腰痛を年齢だけで判断しない理由については、「腰痛は年齢のせい?年齢だけでは判断できない理由を整体院が解説」でも詳しくご紹介しています。
「歩くと痛い=歩かない方がいい」と一律には考えない
歩くと腰が痛くなると、「しばらく歩かない方がいいのでしょうか?」と聞かれることがあります。
しかし当院では、「歩くと痛い」という理由だけで、すべての方に歩かないようお伝えするわけではありません。
腰痛がある時に身体を動かすか休むかについての当院の考え方は、「腰痛は安静にした方が良い?少しずつ動いた方が良い?当院が施術判断で見ているポイント」でも詳しく解説しています。
歩き始めに少し痛みがあっても、動いているうちに身体が動きやすくなってくる方もいらっしゃいます。
一方で、歩き続けるほど痛みが強くなったり、脚のしびれや重さが増したりする場合には、同じようには考えません。
そのため、
- 痛みの強さ
- 歩行中の症状の変化
- 歩ける時間や距離
- 休息後の変化
- 脚のしびれや筋力の変化
- 日常生活への影響
などを確認したうえで、その時点でどの程度身体を動かすことが適切なのかを考えます。
また、強いしびれや筋力低下、明らかな歩行障害、排尿・排便の異常などがある場合には、整体での施術よりも医療機関での評価を優先していただくことがあります。
「歩くことが良い・悪い」と最初から決めるのではなく、歩くことで身体に何が起きているのかを確認してから判断することが大切だと考えています。
まとめ
「歩くと腰が痛い」という症状でも、その現れ方は同じではありません。
当院では、
- 歩き始めから痛むのか
- 歩いているうちに楽になるのか
- 歩き続けるほど症状が強くなるのか
- どのくらいの時間・距離で症状が出るのか
- 休むとどう変化するのか
- 前かがみや座位で変化するのか
- 腰だけでなく脚にも症状が出ているのか
- 以前より歩ける時間や距離が変わっていないか
などを確認します。
さらに、腰そのものの状態だけでなく、股関節や足部、胸郭など、歩行に関わる身体全体の動きも確認して施術方針を考えます。
特に私自身は、長年腰痛患者さんを診てきた経験から、歩いているうちに身体が動きやすくなる腰痛と比べて、歩行を続けるほど症状が強くなっていく場合には、より慎重に症状の出方を確認するようにしています。
これは「歩くと痛い腰痛は危険」という意味ではありません。
歩行という繰り返される動作の中で、いつ、どこに、どのような症状が現れ、それが時間や距離とともにどう変化するのか。
そこまで確認することが、その方の身体の状態を考えるうえで大切な情報になるからです。
歩くと腰が痛くなる、以前より長く歩けなくなった、歩いていると脚までつらくなるという方も、お気軽にご相談ください。
歩行時ではなく、長時間立っていることで腰が痛くなる場合については、「立ち仕事で腰が痛いのはなぜ?当院が施術判断で見ているポイント」でも詳しくご紹介しています。
文責及び施術担当者:アルテカイロプラクティック院長 前田彰(院長プロフィールはこちら)
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