この記事でお伝えしたいこと
- 目の疲れと肩こりが同時にあっても、一方がもう一方の原因とは限りません
- 目と肩がいつ・どんな場面でつらくなり、休憩するとどう変化するのかを確認します
- 目の使い方だけでなく、姿勢や首・肩甲骨・胸郭など身体の状態も合わせて施術方針を考えます
はじめに
- 「パソコンを長く見ていると、目だけでなく肩もつらくなる」
- 「目が疲れてくると、首や肩まで重く感じる」
- 「眼精疲労と肩こりは関係しているのでしょうか?」
このようなご相談をいただくことがあります。
目の疲れと肩こりが同じようなタイミングで現れると、「目が疲れたから肩がこったのでは?」と考える方も多いと思います。
確かに、パソコンやスマートフォン、読書、細かい作業などでは、目を使う時間と身体を一定の状態に保つ時間が重なることがあります。
ただし、「目が疲れる=それが肩こりの原因」と一方向に決めることはできません。
目は疲れるけれど肩こりはそれほど変わらない方もいれば、目と肩がほぼ同じタイミングでつらくなる方もいます。また、画面を見ていない時にも肩こりが強いのであれば、別の要素も確認する必要があります。
当院では、目の疲れそのものだけを見るのではなく、目と肩の症状がいつ現れ、何をしている時に強くなり、休憩などによってどう変化するのかを確認しながら施術方針を考えています。
肩こりについて、当院の考え方や施術方針を詳しく知りたい方は、「肩こり」もあわせてご覧ください。
目の疲れと肩こりは「同じタイミング」で出るのか
まず確認したいのが、目の疲れと肩こりの時間的な関係です。
たとえば、
- 目が疲れてくるのと同じ頃に肩も重くなる
- 目の疲れが先に出て、その後に肩がつらくなる
- 肩こりが強くても目はそれほど疲れていない
- 目は疲れているが肩こりはほとんど変わらない
- 日によって目と肩の症状が一致しない
など、症状の現れ方には違いがあります。
「目も肩もつらい」というだけでは、両者がどの程度関連しているのかまでは分かりません。
そのため当院では、目が疲れ始めるタイミングと肩こりが強くなるタイミングを照らし合わせます。
いつもほぼ同じ場面で両方が強くなるのか。それとも、それぞれ別のタイミングで現れることも多いのか。
こうした症状の重なり方を見ることが、その方の状態を考えるための一つの判断材料になります。
「目を使っている」だけでなく、何をしているのかを確認します
目の疲れを感じる場面は、パソコン作業だけではありません。
スマートフォンを見る、読書をする、細かい作業をする、映像を見る、何かに集中して視線を固定するといった場面でも、目の疲れを感じることがあります。
そこで確認したいのが、場面が変わっても目の疲れと肩こりが同じように現れるのかという点です。
たとえば、パソコンでは目と肩の両方がつらくなるのに、読書では目だけが疲れるという方もいるかもしれません。
反対に、画面をほとんど見ていない作業でも肩こりが強くなるのであれば、「目を使ったから肩がこった」という説明だけでは足りません。
当院では、何を見ていたかだけではなく、その時どのくらい同じ姿勢が続いていたのか、視線を固定していたのか、身体を動かす機会があったのかなども確認します。
目の使い方と身体の使い方を切り離さず、一緒に見ていくことを大切にしています。
パソコン作業中の姿勢や作業時間、身体の使い方については、「デスクワークで肩こりがつらくなるのはなぜ?当院が施術前に確認しているポイント」で詳しくご紹介しています。
「紙」と「画面」で、目と肩の症状の出方が違う印象
20年の臨床の中で感じることの一つに、目の疲れと肩こりを同時に訴える方には、紙の書類や本を読んでいる方より、パソコンやスマートフォンなど、画面を見ている方が多いという印象があります。
ただ、これは単に「画面の光が目に悪いから」というだけではないと考えています。
パソコンの場合、画面の位置がある程度固定されているため、その位置に合わせて姿勢そのものも固定されやすくなります。目を酷使する時間と、身体を一定の姿勢に保つ時間がちょうど重なりやすいのです。
一方、スマートフォンは画面の位置が定まっていません。
持つ位置や角度は人によってさまざまですが、以前お伝えした通り、スマホには「これといった良い姿勢」がなかなか見つかりにくいという特徴があります。
加えて、画面までの距離が近くなりやすいことも、目の疲れとの関係を考えるうえで確認しておきたい点です。
つまり、パソコンとスマートフォンでは、目と肩の症状が同時に現れる際の身体の使い方や環境が、少し異なるのではないかと当院では考えています。
だからこそ、「画面を見ているから」とひとくくりにするのではなく、どのような機器を、どのくらいの距離で、どのような姿勢で見ているのかまで確認することを大切にしています。
スマートフォン使用時の姿勢や使用時間、症状の変化については、「スマホを見ていると肩こりがつらくなるのはなぜ?当院が施術前に確認しているポイント」でも詳しくご紹介しています。
休憩した時に「目と肩が一緒に変わるのか」も見ていきます
症状が出る時だけでなく、その作業から離れた時にどう変化するのかも確認します。
たとえば、
- 画面から目を離して休むと、目も肩も楽になる
- 目は楽になるが肩こりは残っている
- 席を立って身体を動かすと肩は楽になるが、目の疲れは残る
- 休憩しても目と肩の両方がつらい
- 一晩休むとどちらも気にならなくなる
といった違いです。
特に、「何をするとどちらの症状が変わるのか」は重要な情報になります。
画面を見るのをやめたことで目の疲れは変わっても肩こりが残るのであれば、肩については身体の使い方など別の要素も確認する必要があります。
反対に、作業から離れることで目と肩がほぼ同じように変化するのであれば、その作業中にどのような状態になっていたのかを詳しく見ていきます。
「目が疲れた時に肩もこる」という結果だけでなく、条件を変えた時にそれぞれの症状がどう反応するのかまで確認します。
目だけでなく、首や肩甲骨周辺など身体の状態も確認します
目の疲れと肩こりが一緒に現れる場合でも、当院が目だけを確認して施術方針を決めるわけではありません。
必要に応じて、
- 首を動かした時の状態
- 肩甲骨周辺の動き
- 腕を動かした時の状態
- 胸郭の動き
- 呼吸をした時の身体の動き
- 身体全体に力が入り続けていないか
なども確認します。
何かを集中して見ている時には、視線だけでなく身体の動きも少なくなっていることがあります。また、無意識に肩へ力が入っている方もいます。
だからといって、「身体が緊張しているから肩がこる」と一つの原因に決めるわけではありません。
目の疲れが出る場面、その時の身体の使い方、肩こりの変化、実際の身体の状態を合わせて確認することが大切だと考えています。
また、肩こりとともに首こりや頭痛などを感じている場合には、それらの症状についても確認します。
首こりと頭痛が一緒に現れる場合の考え方については、「首こりと頭痛は本当に関係あるのか?当院が施術判断で見ているポイント」でも詳しくご紹介しています。
一方、急に見え方が変わった、強い目の痛みがある、明らかな見え方の異常があるなど、肩こりだけでは考えにくい目の症状がある場合には、肩こりとの関連を考える前に眼科など医療機関での評価を優先した方がよい場合があります。
まとめ ~「目が疲れたから肩がこる」と一方向に決めない~
目の疲れと肩こりが一緒に現れると、「目の疲れが肩こりの原因なのでは?」と思うかもしれません。
しかし、二つの症状が同時にあることと、一方がもう一方の原因であることは同じではありません。
当院では、目の疲れと肩こりが同じタイミングで現れるのか、どのような作業で強くなるのか、休憩するとそれぞれどう変化するのかなどを確認します。
さらに、その時の姿勢や身体の使い方、首や肩甲骨周辺、胸郭などの状態も合わせて見ながら施術方針を考えていきます。
「目の疲れ」と「肩こり」を別々に見るだけでも、「目が原因」と最初から決めるのでもなく、二つの症状がどのような条件で一緒に現れ、どのように変化しているのかを見ること。
それが、当院が目の疲れと肩こりについて施術判断を行ううえで大切にしている視点です。
文責及び施術担当者:アルテカイロプラクティック院長 前田彰(院長プロフィールはこちら)
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