この記事でお伝えしたいこと
- 腰痛があるからといって、マットレスの硬さや価格だけで寝具変更を決める必要はありません。
- 「いつ痛むのか」「別の寝具ではどうか」「起床後や日中はどう変化するか」を確認することが判断材料になります。
- 当院では寝具だけでなく、腰椎・股関節・骨盤周辺など身体の状態も合わせて確認しています。
はじめに
- 「朝起きると腰が痛いので、マットレスが合っていないのでしょうか?」
- 「柔らかいマットレスは腰に悪いと聞いたのですが、硬いものに変えた方が良いですか?」
- 「高いマットレスに買い替えれば、腰痛も変わるのでしょうか?」
- このようなご質問をいただくことがあります。
腰痛が寝ている時や起床時につらいと、「今使っているマットレスが悪いのでは?」と考える方は少なくありません。
もちろん、寝具の硬さや身体の沈み方などが、その方にとって負担になっていないかを確認することはあります。
ただし、「腰が痛い=マットレスが合っていない」とすぐに結論づけることはできません。
同じマットレスを使っていても、寝始めからつらい方もいれば、数時間経ってから気になる方、寝返りの時だけ痛む方、起床直後だけつらい方もいます。また、ホテルや旅先では腰が楽になる方もいれば、寝具が変わっても症状がほとんど変わらない方もいます。
当院では、マットレスの硬さだけを見るのではなく、どの寝具で、どの時間帯に、どのように腰痛が出ているのかを確認したうえで、寝具変更について考えるようにしています。
腰痛について、症状の特徴や当院の考え方を詳しく知りたい方は「腰痛」のページもご参照ください。
まず確認したいのは「いつからマットレスを使っていて、いつから腰が痛いのか」
マットレスを変えるべきか考える際、まず確認したいのが寝具を使い始めた時期と腰痛が始まった時期との関係です。
たとえば、
- マットレスを新しくしてから腰が気になるようになった
- 同じマットレスを何年も使っていたが、最近になって腰が痛くなった
- 腰痛は以前からあり、マットレスを変えてもほとんど変わらなかった
- 寝具とは関係なく、日中も腰痛が続いている
など、状況はさまざまです。
マットレスを変えた直後から症状の出方が変わったのであれば、寝具との関係を考える材料になります。
一方、何年も問題なく使っていたマットレスなのに、最近になって腰痛が強くなった場合には、寝具だけでなく、その時期に変わった生活習慣や身体の状態なども確認する必要があります。
大切なのは、マットレスが古い・柔らかい・硬いという情報だけではなく、腰痛の始まり方と寝具の変化がどの程度重なっているのかを見ることです。
その寝具で「いつ痛くなるのか」を確認します
同じ「マットレスが合わない気がする」という訴えでも、腰痛が出るタイミングによって確認したいことは変わります。
たとえば、
- 横になった直後から腰がつらい
- 数時間寝ていると痛くなってくる
- 寝返りをした時だけ痛む
- 夜中に痛みで目が覚める
- 起床直後だけつらい
- 起きて身体を動かすと徐々に楽になる
- 寝ている時だけでなく、一日中腰が痛い
などがあります。
ここで重要なのは、それぞれを「マットレスが原因」と結びつけるのではなく、症状の出方を整理することです。
寝返りの時だけ痛むのであれば寝返り時の身体の使い方も確認しますし、起床時だけ強いのであれば、その後動き始めた時にどう変化するのかも見ます。
また、日中も同じような腰痛が続いている場合には、寝具だけに理由を求めることはできません。
マットレスを買い替える前に、まず「その寝具の上でいつ腰が痛くなっているのか」を確認することが大切だと考えています。
特に起床時の腰痛については、「朝起きると腰が痛いのはなぜ?当院が施術前に確認しているポイント」で詳しくご紹介しています。
マットレスを変えても変わらない方、場所が変わると痛む方
臨床の中でよく伺う話に、二つのパターンがあります。
一つは、「思い切って高価なマットレスに買い替えたのに、腰痛はあまり変わらなかった」というお話です。
もう一つは逆に、「自宅では特に問題ないのに、旅行先のホテルなど、いつもと違うマットレスで寝ると腰が痛くなる」というお話です。
一見すると正反対のようですが、こうしたお話を伺っていると、単純に「高価なマットレスだから良い」「硬い・柔らかいから悪い」とは判断できないと感じます。
高価なマットレスに変えても腰痛が変わらないのであれば、少なくとも寝具を変えるだけでは説明できない要素があるのかもしれません。
一方、普段は問題ないのに旅行先で腰が痛くなるのであれば、マットレスだけでなく、寝る環境が変わったことや、その日の移動時間、歩いた量、普段とは違う身体の使い方なども確認する必要があります。
そのため当院では、「良いマットレスに変えれば腰痛が解決する」とも、「マットレスは関係ない」とも考えていません。
今の寝具を使い始めた時期と腰痛が始まった時期の関係、別の寝具ではどうなのか、その前後にどのような生活をしていたのかまで確認しながら、寝具と腰痛の関係を考えることを大切にしています。
別の寝具や場所ではどうなるのかも判断材料になります
マットレスとの関連を考えるうえで参考になるのが、寝る環境が変わった時の症状です。
たとえば、
- ホテルでは腰が楽だった
- 旅先でもいつもと同じように腰が痛かった
- ベッドではつらいが、布団では感じ方が違う
- ソファで寝た翌日は強くつらくなる
- 別の部屋や家族のベッドで寝ても変わらない
といった違いです。
普段とは違う寝具で症状が明らかに変わるのであれば、マットレスや寝具環境との関係を考える一つの材料になります。
一方、場所や寝具が変わっても同じように腰痛が出るのであれば、「今のマットレスだけが問題」とは考えにくくなります。
ただし、ホテルでは普段より歩く量が多い、仕事をしていない、寝る時間が違うなど、寝具以外の条件も変わっています。
そのため、「ホテルでは楽だった=自宅のマットレスが悪い」と単純に決めるのではなく、寝具以外に何が違ったのかも一緒に確認します。
マットレスだけでなく、身体の状態も合わせて確認します
寝具との関連を確認する場合でも、当院ではマットレスだけを見て判断するわけではありません。
必要に応じて、
- 腰を動かした時の状態
- 股関節の動き
- 骨盤周辺の動き
- 胸郭の動き
- 寝返り時の身体の使い方
- 日中の姿勢や活動量
なども確認します。
たとえば、寝返りの時に腰がつらい場合には、寝具の沈み方だけでなく、身体をどのように動かしているのかも判断材料になります。
寝返りの時に腰が痛む場合については、「寝返りで腰が痛いのはなぜ?当院が施術前に確認しているポイント」でも詳しく解説しています。
また、起床時に腰がつらくても、日中どのように身体を使っていたのかによっては、寝具だけでは説明できない場合があります。
反対に、身体側だけに原因を求めることもしません。
当院では、寝具の特徴と症状の出方、実際の身体の状態を照らし合わせながら、マットレス変更について考えるようにしています。
なお、夜間に強い痛みで何度も目が覚める、安静にしていても強い痛みが続く、足の強いしびれや筋力低下を伴う、発熱などの体調不良がある、外傷後から強い痛みが続いているといった場合には、マットレスの問題として自己判断せず、医療機関での評価を優先した方がよい場合があります。
夜中に腰痛で目が覚める場合については、「夜中に腰痛で目が覚めるのはなぜ?当院が施術前に確認しているポイント」もあわせてご参照ください。
まとめ ~「腰が痛いからマットレスを変える」とすぐに決めない~
腰痛が寝ている時や起床時につらいと、「マットレスが合っていないのでは?」と考えたくなるかもしれません。
しかし、硬い・柔らかいという情報だけで、そのマットレスが腰痛に関係しているかどうかを判断することはできません。
当院では、今のマットレスを使い始めた時期と腰痛が始まった時期との関係、その寝具でいつ痛くなるのか、別の寝具ではどうなのか、起床後や日中にはどう変化するのかなどを確認します。
さらに、腰椎や股関節、骨盤周辺、胸郭など身体の状態も必要に応じて確認します。
「腰が痛いからマットレスを変える」のではなく、まずはその寝具と腰痛がどの程度関連しているのかを整理してから考えること。
それが、当院が腰痛のある方からマットレスについて相談を受けた際に大切にしている視点です。
起床時にも腰痛を感じていた方の症例として、「朝起きる時や立ち上がる時に腰が痛い40代男性の改善症例」も掲載しています。
文責及び施術担当者:アルテカイロプラクティック院長 前田彰(院長プロフィールはこちら)
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