運動しているから身体のケアはいらない?当院が「負荷と回復」をセットで考える理由

この記事でお伝えしたいこと

  • 運動は身体に良い一方で、身体へ適切な負荷をかける行為でもあります
  • 当院では「運動すること」だけでなく、その負荷から身体をどう回復させるかまでセットで考えています
  • 自分では気づきにくい身体の変化を施術者が確認することも、好きな運動を長く続けるためのケアの一つだと考えています

はじめに

マラソン大会へ頻繁に出場している方や、テニスなどのスポーツを本格的に続けている方、かなりしっかり筋力トレーニングをしている方が、痛みや身体の不調を抱えて当院へ来院されることがあります。

そういった方に、
「普段、身体のケアは何かされていますか?」と伺うと、
「特にしていません」
「普段から運動しているので、それが身体のケアになっています」

と言われることがあります。

私は、この考え方には少し違和感があります。

もちろん、運動が悪いという意味ではありません。

むしろ私は適度な運動を積極的に勧めていますし、私自身も定期的にランニングをしています。
だからこそ、

「運動は身体に良い」ということと、一方で、「運動は身体へ負荷をかける行為でもある」
という両方を考えることが大切だと思っています。

たくさん身体を動かしているから、あとは何もしなくても大丈夫。
ストレッチだけしておけば大丈夫。

私は必ずしもそうは考えていません。

運動することと、その負荷から身体を回復させること。

この二つをセットで考えることで、せっかく続けている運動を、より長く快適に続けやすくなるのではないかと考えています。

今回は、私自身のランニング経験や約20年の臨床経験も踏まえて、運動習慣のある方の「身体のケア」についてお話しします。

運動は、身体にとってとても良いもの

まず大前提として、私は運動を積極的に勧めています。

身体を動かすことにはさまざまなメリットがありますし、運動を習慣として続けること自体に大きな価値があると考えています。

私自身も定期的にランニングをしています。

走ることは全身を使いますし、走り終わったあとの気持ち良さもあります。

運動したことで身体の調子が良いと感じることもありますし、これからもできるだけ長く続けたいと思っています。

せっかく身体にとって良いことをしているのですから、できるだけ長く続けてほしい。

そのために、運動そのものだけでなく、「その後の身体をどう回復させるか」にも目を向けてほしいと思っています。

運動は身体に良い。そして「負荷をかけること」にも意味がある

例えばランニングでは、走っている間に何度も地面へ足を着きます。

足だけでなく、膝、股関節、腰、体幹など、全身を繰り返し使います。

筋力トレーニングなら、普段以上の負荷を筋肉へ与えます。

テニスなら、走る、止まる、切り返す、身体をひねる、ラケットを振るといった動作を何度も繰り返します。

これは決して悪いことではありません。

むしろ、身体へ適切な負荷を与えること自体が運動の大切な一面です。

筋力トレーニングであれば、身体へ普段以上の刺激を与え、そこから回復・適応していくことで身体は変化していきます。

ランニングでも、少しずつ走る距離や時間を伸ばしながら、その負荷に身体が適応していきます。

つまり、大切なのは身体への負荷をなくすことではありません。

運動によって身体へ負荷をかけたあと、

「そこから、どう回復するか」

まで考えることだと思っています。

「運動する」だけでなく「回復する」ところまでが一つの流れ

私は運動について、

負荷をかける
↓
回復する
↓
身体が適応していく

という一連の流れで考えています。

運動だけを切り取って考えるのではなく、その後に身体がきちんと回復できるところまで含めて考えるということです。

もちろん、回復のためにできることはたくさんあります。

  • しっかり眠る
  • きちんと食事を取る
  • 必要な休養を取る
  • その日の身体の状態に応じて運動量を調整する
  • ストレッチなどのセルフケアを行う
  • こうした日々の回復を自分自身で意識することは、とても大切です。

セルフケアについては、全員が同じことをすれば良いとは考えていません。当院の考え方は、「セルフケアは必要?施術を受けていれば何もしなくていい?」でも詳しくお話ししています。

ただ、それだけですべての身体の状態を把握できるとは限りません。

実際には仕事や家庭などの日常生活もあります。

毎日の睡眠、食事、運動量、セルフケアまで、すべて完璧に管理するのはなかなか難しいものです。

そして、自分の身体だからこそ気づきにくいこともあります。

自分では十分動いているつもりでも、特定の関節だけ動きにくくなっている。

左右で身体の使い方が変わっている。

いつも同じ場所へ負担が集中している。

自分では手を届かせにくい場所に強い緊張が残っている。

こういった部分まで、すべて自分自身で確認してケアするのは簡単ではありません。

私は、そこに施術者がお手伝いできる部分があると考えています。

自分で行うケアと、施術者が身体を確認すること

身体のケアというと、

「普段からストレッチをしているから大丈夫」

という方もいらっしゃいます。

もちろん、自分で身体を動かしたり、ストレッチをしたりすることも大切なケアの一つです。

ただし、ストレッチも身体の状態を確認せずに、とにかく伸ばせば良いとは考えていません。詳しくは、「ストレッチは身体に良いことばかり?当院が「とにかく伸ばせば良い」と考えない理由」でお話ししています。

ただ、先ほどお話ししたように、自分の身体だからこそ気づきにくい変化もあります。

例えば、

  • 自分では気づいていなかった左右差
  • 思っていた以上に動きにくくなっていた場所
  • いつもの運動動作の中で、繰り返し負担が集中している部分
  • 自分では「ここが悪い」と思っていたけれど、身体全体を確認すると別の場所の動きも関係していそうなケース

こうしたことは、第三者が実際に身体の動きや状態を確認することで、初めて見えてくることがあります。

ですから私は、自分で行うケアと、施術者が身体を確認することには、それぞれ違った役割があると考えています。

睡眠や食事、休養を大切にする。

その日の身体の状態に合わせて運動量を調整する。

必要に応じてストレッチなどのセルフケアを行う。

そして、自分では気づきにくい身体の変化や、自分だけでは手が回りにくい部分については、施術者の手を借りる。

運動をしっかり続けている方であれば、痛みが出たときだけ身体を見るのではなく、こうした形で普段から身体の状態を確認していくことにも意味があると私は考えています。

身体のために始めた運動を、身体の問題でやめてほしくない

これは約20年施術をしてきて、実際に何度も聞いてきた話です。

「以前は走っていたんですけど、膝が痛くなってやめました」

「前はジムでかなり筋トレをしていたんですけど、肘を痛めてやめました」

もちろん、運動をやめることになった経緯は人それぞれです。

それでも私は、こういった話を聞くたびに「もったいないな」と思います。

健康のために始めたランニング。

好きで続けていたスポーツ。

身体を強くしたくて始めた筋力トレーニング。

せっかく自分に合った運動習慣があったのに、身体の問題によってそれ自体をやめてしまう。

だからこそ私は、痛くなってからどうするかだけではなく、

「この運動をこれからも続けていくために、身体をどうケアしていくか」

という視点も持っていただきたいと思っています。

もちろん、ケアをしていれば絶対に身体を痛めないということではありません。

それでも、運動することだけに目を向けるのではなく、その身体を回復させるところまで考えることは、好きな運動と長く付き合っていくうえで大切だと私は考えています。

ランニングを続ける中で膝の外側などに痛みが出ている方は、「ランナー膝(腸脛靭帯炎)」についてもご覧ください。

運動を長く楽しむために、ケアまで含めて考える

私自身がランニングをしているからこそ、運動を続けることの良さを実感しています。

だから私は、「運動するか、身体をケアするか」という二者択一では考えていません。

  • 運動する。
  • しっかり休む。
  • 食事や睡眠を考える。
  • 自分でできるセルフケアをする。

そして、自分では気づきにくい身体の状態や、自分だけでは手が回りにくい部分については、必要に応じて施術を利用する。

こうしたものを全部含めて、「好きな運動を長く続けるための身体づくり」 と考えても良いのではないでしょうか。

運動をしっかりしている方の中にも、「運動しているから、身体のケアはいらない」と考えている方は一定数いらっしゃいます。

しかし私は、「運動しているからこそ、身体に負荷をかけた後の回復まで考える」という視点を持っていただきたいと思っています。

私自身も走る人間として、せっかく見つけた運動習慣を身体の問題で手放してしまうのは、本当にもったいないと思っています。

だからこそ、運動することだけではなく、身体に負荷をかけた後の回復やケアまで含めて考える。
その中で、自分だけでは気づきにくい部分があれば、私たち施術者がお手伝いする。

「負荷」と「回復」をセットで考えながら、好きな運動をできるだけ長く、快適に続けていく…。

これが、当院が運動習慣のある方の身体のケアについて大切にしている考え方です。

文責及び施術担当者:アルテカイロプラクティック院長 前田彰(院長プロフィールはこちら)

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