はじめに
今回ご紹介するのは、ハンドボール部への入部直後からすねの痛みに悩まされ、シンスプリントと骨髄浮腫の診断を受けた高校生の症例です。
夏休み中はいったん部活動を休むことになり、その期間を利用して、身体の使い方や足元の状態を根本的に見直したいとのことでご来院されました。
ご来院前の経緯
高校へ入学後、5月にハンドボール部へ入部しましたが、入部してから間もなくしてすねに痛みが出るようになったとのことでした。
整形外科でレントゲン検査を受けたものの異常は見つからず、念のためMRI検査も受けています。
その際はシンスプリントと診断されましたが、その後、別の医療機関でMRI画像を確認してもらったところ、「骨髄浮腫がある」と説明されたとのことでした。
整骨院にも通われましたが痛みに大きな変化はなく、夏休み中は部活動を休むことになりました。
ご予約時には、「身体の使い方などを根本的に改善したい」というメッセージをいただき、7月下旬に初めてご来院されました。
詳しい状況
ハンドボールは高校から始めたばかりで、本格的な練習に入る前に痛みが出たとのことでした。
身体はがっちりしており、表面的にはしっかりと筋肉がついているように見えました。
一方で、体幹を支える筋肉については、まだ十分に使えていない可能性も考えられました。
足元を確認すると、立ったときに足の指が地面から浮きやすく、足指の付け根の動きもかなり少なくなっていました。
足裏全体も硬く、地面から受ける力を足元でうまく逃がしにくい状態だったと考えられます。
初回来院時には、すねの患部を指で軽くトントンと叩くだけでも痛みがありました。
また、ふくらはぎを押しただけでも、同じ脚のすねに痛みを感じるなど、ひざ下全体が刺激に対して敏感になっていました。
この時点では骨髄浮腫について医療機関で経過を確認している途中だったため、当院では患部へ強い刺激を加えず、足裏や足指、身体全体の動きを整えることを優先しました。
施術経過
夏休み中は、およそ週2回のペースで計12回ご来院されました。
施術では全身の筋肉を確認しながら、特に下半身を中心に調整しています。
最初のうちは痛みのあるすねを積極的に触ることはせず、硬くなっていた足裏をしっかりと緩め、足指の付け根に少しずつ動きをつけていきました。
さらに、足元だけに負担が集中しないよう、胸椎周辺の動きも確認しながら、身体全体にしなやかさをつけることを意識して施術を行いました。
初回の施術後には、
「足裏がしっかり地面につく感じがする」
という変化を感じていただけました。
セルフケアについては、いきなりランニングを再開するのではなく、まずは心肺機能をできるだけ落とさないよう、エアロバイクを利用することを提案しました。
また、足指を動かすことや足裏を柔らかくすることから始め、体幹トレーニングのやり方についてもお伝えしています。
施術回数を重ねるにつれて、患部を軽く叩いたときや押したときの痛みは徐々に減っていきました。
8月初旬には15分程度のランニングを再開しました。
走っている最中には痛みが出なかったものの、走り終えたあとに少し痛みを感じることがあったため、反応を確認しながら無理のない範囲で続けてもらいました。
8月中旬頃からは、すねを押したときの痛みを訴えることも少なくなっていきました。
その後、医療機関で再度MRI検査を受けたところ、異常は見られず、部活動へ復帰してもよいとの説明を受けました。
医療機関から部活動再開の許可が出てからは、それまで控えていたふくらはぎやすねの筋肉にも、状態を確認しながら施術を行いました。
特にひざ下の筋肉は非常に硬くなっていたため、今後も時間をかけて柔らかさを取り戻していく必要があると考えています。
すねの痛みが落ち着いてからは、足首の動きを整えるセルフケアも追加しました。
9月に入り、練習へ復帰しています。
復帰から1週間ほどすると、週の後半に走った際、すねへ少し痛みを感じることがありました。
ただし、その後も痛みが残り続けたり、歩くときに痛んだりする状態ではありませんでした。
このときには、前脛骨筋にある硬い部分をピンポイントで押した場合を除き、すねの痛みを訴えることはほとんどなくなっていました。
そこで、練習前と練習後に行うセルフケアをあらためて確認し、練習の強度も一気に上げず、身体の反応を見ながら段階的に戻していくよう
お伝えしました。
まとめ
今回は、慣れない競技を始めて間もない時期にすねの痛みが出て、医療機関でシンスプリントと骨髄浮腫の説明を受けた高校生の症例でした。
骨の状態については医療機関で確認してもらいながら、当院では痛みのある部分だけに刺激を加えるのではなく、足裏や足指、足首、下半身、胸椎など、身体全体の動きを確認しながら施術を進めました。
夏休み中は週2回ほどのペースで施術を行い、セルフケアにも取り組んでもらった結果、医療機関から部活動再開の許可が出たあとは、練習へ復帰することができました。
現時点では、まだ100%元どおりという段階ではありません。
練習量が増えると、すねに軽い痛みを感じることもあります。
しかし、痛みが長く残る状態ではなく、現在は身体の反応を確認しながら練習に参加しています。
ご家族からは、今後も身体の状態を見ながら、当院で継続的にメンテナンスを受けたいとのお話をいただいています。
部活動へ復帰できたから終わりではなく、今後は練習の強度を少しずつ上げながら、再び同じ部分へ負担が集中しない身体づくりを続けていく予定です。
文責及び施術担当者:アルテカイロプラクティック院長 前田彰(院長プロフィールはこちら)
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