30代 男性 パソコン作業と趣味の野球が原因となった腱鞘炎

30代　男性　会社員　症状：パソコン作業と趣味の野球が原因となった腱鞘炎

ご来院前の経緯

お仕事は営業職だがパソコン作業の時間もかなり長い。

学生時代から野球をやっていた関係で、現在でも土日は所属している草野球チームでの練習や試合に明け暮れている。

ある日仕事中に手首の違和感を感じたが、一過性の物と思って放置しその週末も普段通り野球の練習と試合に出掛けた。

月曜の朝起きてみると右手首を中心に「ズキッ」とした痛みが走った。出勤して仕事をしていると段々痛みが酷くなりパソコンのキーボードを打つのにも支障が出てきたためその日は早退し、会社近くの整形外科を受診。

「腱鞘炎」と診断され安静にすることと、消炎鎮痛剤の処方を受けた。

薬は飲むが「安静に」というのが仕事に関しては難しいため、他の方法は無いかと思いネットで当院を検索してご来院されました。

詳しい状況

痛む場所（手首から前腕部）痛み方（動かすとズキっと痛む）共に、典型的な初期腱鞘炎の症状でした。（症状が悪化すると動かさなくても痛みます）

こうした場合症状が出ているところばかりを施術したくなりますが、指を確認したところMP関節と呼ばれる大きな関節をうまく使えず、PIP関節やDIP関節と言う出力が少し弱い関節ばかり使っている傾向が見られました。

パソコンのキーボードを打つときなど細かい作業が多い現代人にはよくあるパターンですが、この2つの関節は浅指屈筋や深指屈筋という手首から前腕部にかけて伸びる筋肉がその伸び縮みを担っているので、そこが過剰に使われてしまうと結果としてそこの筋肉、つまり手首から前腕にかけて負担が掛かりやすく痛みが生じやすくなります。

こうした背景を考えてもサボっているMP関節を使えるようにすることが、本当の意味で原因からの解決策なので、MP関節を動かすための虫様筋という筋肉も特に初期のうちはしっかりと施術していきました。（上記で述べた手の関節などの解剖用語は下記のイラストをご参照ください）

施術経過

初回施術時に患部の手首から前腕では無く、手のひらにある虫様筋を徹底して施術したところ、あまり触れていない手首から前腕の痛みが軽くなっていることに大変驚いている様子だったと共に、それによって「ここで改善できるかも」という期待感を持っていただいたと思います。

大好きな野球をしばらく休む決意をして、しっかりと来院ペースを守った通院をされた上にこちらからお伝えするセルフケアで筋肉を緩めたり鍛えたりすることをご自宅でもしっかり行っていただいたため、1ヶ月経つ頃には最初は10あった痛みが1か2くらいまでに減りました。

ここで野球を再開したい思いをグッとこらえてもう1ヶ月しっかりと治療に専念し、2ヶ月経つ頃には痛みとともにあったこわばり感も含めてほぼ消失していました。

指との関係性を説明したところ、野球のボールの投げ方に関してご自身でも思い当たる節があるとのことでしたので、そのあたりのフォームも見直してみるとのことでした。

現在は好きな野球も再開し、月に1or2回程度再発防止のためにメンテナンス通院されています。

まとめ

他の症例でもよく言及しますが、「痛い場所」と「原因となる場所」が違うことと言うのは往々にしてあります。

今回の方も手首に感じた腱鞘炎でしたが、本当の原因は手のひらや指でした。

症状が出ているところと別のところから施術を開始すると、多くの方が怪訝そうな顔をされますが、それで状態に変化が出るのを見て驚かれる方が多いです。

一般の患者さんはもちろんそれが普通の反応なのですが、他院で良くならなくてご来院された方の話をお聞きしていると、「痛いところをたくさん施術してもらいましたが、あまり変わりませんでした」と言われることが多く、恐らくプロの施術家でも患者さんの求めに応じて痛いところだけを施術する方が多いのかなと思いました。

この「原因の見極め」は改善のために非常に大切ですが、それには長年の臨床経験がカギを握ってきます。

当院では臨床歴20年の私が全ての検査、問診、施術を行いますのでもし今しつこい腱鞘炎に悩まされていたり、「どこに行っても良くならない」と悩んでいらっしゃれば、是非当院までお気軽にご相談くださいね。

文責及び施術責任者：アルテカイロプラクティック院長　前田彰

※回復には個人差があり、効果効能を保証するものではありません。