60代 女性 変形性膝関節症とそこから来る腰痛

60代　女性　自営業　症状：変形性膝関節症とそこから来る腰痛

ご来院前の経緯

若い時から肉体労働に従事して、歩き回ったり腰をかがめたりする作業を長年続けてきた。

50代に差し掛かるときに強い右膝の痛みに襲われ、病院で検査を受けたところ「変形性膝関節症」と診断を受ける。

「うまく痛みと付き合っていくか、ひどくなったら手術しかない」と言われ、痛み止めを処方されながらごまかしごまかし10年近く過ごしてきたが、もっと積極的に症状に向かい合いたいと考え当院をネットで検索してご来院されました。

詳しい状況

膝は骨の変形もある関係で、完全に伸びない状態でした。

膝蓋骨（膝のお皿）近辺もプクッとむくんだ感じになっていて、お皿とそれ以外の部分がメリハリ無く盛り上がっているような状態でした。

膝という土台がそういう状態だったこともあり、腰も慢性的に痛みとハリを感じており、すっと伸びない状態でした。

そこでまずは膝を動かす「太ももの筋肉」の緊張を緩めること、そして膝の皿の下にある脂肪体（膝蓋下脂肪体）をリリースしていくことにまずは注力しました。

そのうえで膝の動きを付ける施術をし、半月板や靭帯（血管が通っておらず、動かすことによってのみ栄養を得ることが出る組織）の状態を良好に保つ施術を行いました。

腰に関してはこれも長年の膝の不安定さから、深部に至るまでの筋肉が固まって機能不全状態だったので、奥の方の筋肉まで込みで施術を行っていきました。

施術経過

初回施術後、下半身全体がすっきりとした感覚になったと仰っていました。

変形している骨の形は変えられないので、なかなか簡単にすっきりとした状態になるわけではないですが、それでも少しずつまずは歩くのが少しずつ楽になっていき、その後坂の上り下りが以前より楽になってきました。

階段に関しては特に降りる時がしんどく、これに関しては改善まで少し時間を要しました。

それでも2ヶ月経過するころには上りが少しずつ楽になっていき、下りも手すりを持てば以前ほどの痛みは感じずに降りられるようになってきました。

4か月経過時点で、調子の良い時は手すりを使わなくても階段を下りられるくらいになり、腰に関しては前かがみの作業直後以外はそれほど気にならなくなったとのことです。

現在、月に2回程度メンテナンス施術を行っています。

まとめ

最初に重要なことをお伝えしますが、変形性膝関節症はもちろんのことありとあらゆる「骨の変形」に関しては、いかなる方法を使ってもその変形した状態を元に戻すことは出来ません。

しかしながら、変形があれば状態が良くならないかと言われれば決してそんなことはありません。

むしろ変形があるからこそ、固まりやすい周辺の筋肉などの組織を定期的に緩めたり、弱体化した筋肉を強くするといった「補強作業」が必要になってきます。また不安定な膝関節は靭帯によって安定化され、半月板によって衝撃を吸収します。この2つの組織はいずれも血管が通っておらず、それゆえ血液からの栄養補給が難しい箇所です。そのためその部分を動かすことによって周囲から出た組織液を介して栄養補給を行うので、「関節が良く動くこと」は必須の条件となります。

膝は太ももの筋肉の伸び縮みでその関節を動かしますので、まずはしっかりと太ももの筋肉の柔軟性を保って関節の動きを確保し、椎間板や靭帯などの軟部組織の状態をキープしていくことが大切です。

このようなことをしっかり行うことで「変形の状態は変わらないものの、QOLをグンと上げることが出来る」のが変形性膝関節症施術の特徴です。

「どうせ変形があるから」と諦めて何もしないと、長い年月をかけてその変形はどんどん進んでQOLも下がりますが、今この瞬間からケアを開始すれば少しでも悪い方への進行を防いでくれてQOLも保ち続けやすくなります。

変形性膝関節症の方はもちろん、膝蓋腱炎やその他ひざの痛みにも共通して言えることですので、もしあなたが膝周りの状態に痛みや不安を抱えていらっしゃったら、是非当院までお気軽にご連絡くださいね。

文責及び施術担当者：アルテカイロプラクティック院長　前田彰

※回復には個人差があり、効果効能を保証するものではありません。